FOR JAPANESE INVESTORS
日本の投資家の皆様へ
WHY JAPAN MATTERS HERE
長期の資本であること
日本企業が海外に保有する直接投資残高は、2024年末時点で約2.1兆米ドルです。米国に次ぐ世界第2位ですが、ここで重要なのは規模よりも、その資金の動き方です。
ベトナム、バングラデシュ、インドのいずれでも、日本企業の投資はおおむね同じ形をとってきました。短期の持分取得ではなく長期の協業、品質と工程への細かな要求、そして決める前の十分な確認です。短期で回収する資本の動き方とは異なります。
ネパールが必要としているのは前者です。水力発電、製造、農業バリューチェーン、人材育成。いずれも短期で回収できるものではなく、始めた側が留まり続けることを前提としています。
そのため当社は、あらゆる投資を等しく歓迎するという立場をとっていません。腰を据えて取り組まれる日本企業とご一緒します。
ALREADY BUILT
日本は、この国では新参ではありません
2019〜2026年
ナグドゥンガ・トンネル
カトマンズ盆地の西の入口、チャンドラギリ山系を貫く全長2,688メートルの道路トンネルです。ネパール初の本格的な道路トンネルにあたります。円借款(最終的に約223億円)により安藤ハザマが施工し、2026年7月28日に開通式を迎えました。約7年にわたり、ネパール人の技術者と作業員が日本の仕様と品質管理のもとで工事にあたっています。
無償資金協力
BPハイウェイ(シンドゥリ道路)
カトマンズと東部タライ平野を結ぶ全長160キロメートルの幹線道路です。日本の無償資金協力により、約20年をかけて建設されました。ネパールの道路整備史のなかでも規模の大きい案件のひとつです。
継続
道路改良と橋梁
カトマンズ〜バクタプル道路改良事業(9.1キロメートル)をはじめ、全国各地で多数の橋梁建設事業が実施されてきました。地方の橋梁は、日本の協力によるものが少なくありません。
民間
民間企業の進出
JETROの集計では、ネパールに進出している日系企業は35社・46拠点です(2025年)。民間で最も動きがあるのはソフトウェア分野で、日本企業が自社の開発拠点をカトマンズに置き、社内で日本語教育まで行う例が出ています。基盤はまだ小さく、だからこそ先行者としての余地があります。
いずれも当社の実績ではありません。私たちが立っている土台であり、ネパールにおいて日本という名前が他の名前とは違う扱いを受ける理由です。
THE FDI PICTURE
外国からの投資、その実像
3,330億
ネパールの対内直接投資残高(実現ベース)
60か国から、前年比 +12.7%。米ドル換算で約25億ドル(2024年平均 1ドル≒134ルピー)です。
出典:ネパール中央銀行「対内直接投資調査 2023/24」2024年7月中旬時点
85億
年間の直接投資流入額(グロス)
同じ年度に配当として本国送金された額は126億ルピーでした。新規に入った資金より、出ていった配当のほうが大きい年です。市場が小さいという事実は、この一行に表れています。
出典:ネパール中央銀行「対内直接投資調査 2023/24」2023/24年度
31.9%
認可額のうち実際に入った資金の割合
1995/96〜2023/24年度の累計。2023/24年度単年では、認可698億ルピーに対して純流入は84億ルピー、12.0%にとどまりました。ネパールで報じられる「投資約束」の金額は、実額として読めません。
出典:ネパール中央銀行「対内直接投資調査 2023/24」2023/24年度時点
62%
バグマティ州に集中する投資残高
カトマンズ盆地を含む州です。以下コシ州 13.5%、ガンダキ州 13.1%と続き、ルンビニ州とカルナリ州は合わせて1%に届きません。拠点選定の現実的な選択肢は、事実上ここから始まります。
出典:ネパール中央銀行「対内直接投資調査 2023/24」2024年7月中旬時点
国別の順位は、どの数字を見るかで入れ替わります。中央銀行が集計する「実際に入った資金」ではインドが首位、産業局が集計する「認可された投資約束」では中国が首位です。この二つの表の差が、ネパールにおける発表額と実額の距離を示しています。
- 01インド1,076億ルピー32.3%
- 02中国338億ルピー10.2%
- 03シンガポール277億ルピー8.3%
- 04アイルランド231億ルピー7.0%
- 05韓国202億ルピー6.1%
- 06オーストラリア197億ルピー5.9%
- 07米国176億ルピー5.3%
- 08西インド諸島148億ルピー4.4%
- 09マン島114億ルピー3.4%
- 10香港110億ルピー3.3%
- 16日本34億ルピー1.0%
出典:ネパール中央銀行「対内直接投資調査 2023/24」(2024年7月中旬時点)。西インド諸島とマン島は税制上の経由地であり、最終的な投資家の国籍を示すものではありません。
- 01中国2,269億ルピー44.3%
- 02インド1,068億ルピー20.9%
- 03香港296億ルピー5.8%
- 04韓国260億ルピー5.1%
- 05米国180億ルピー3.5%
- 06英国144億ルピー2.8%
- 07ケイマン諸島131億ルピー2.6%
- 08英領ヴァージン諸島111億ルピー2.2%
- 09シンガポール94億ルピー1.8%
- 10スペイン76億ルピー1.5%
- 14日本38億ルピー0.74%
出典:ネパール産業局「Foreign Investment in Nepal 2024」(2023/24年度末時点の累計)。2025/26年度経済白書によれば、2026年3月中旬までの累計認可額は6,256億ルピー、中国48%、インド17.9%と、中国の比重はさらに高まっています。
BY SECTOR
分野別の内訳
- 01電力・ガス・熱供給983億ルピー29.5%
- 02製造業976億ルピー29.3%
- 03金融・保険814億ルピー24.4%
- 04情報通信269億ルピー8.1%
- 05宿泊・飲食217億ルピー6.5%
- 06その他(建設・教育・保健・農林業ほか)70億ルピー2.1%
出典:ネパール中央銀行「対内直接投資調査 2023/24」付表III(2024年7月中旬時点)。同報告書の本文表6は宿泊・飲食と情報通信の行が入れ替わっているため、要約および付表IIIの数値を採用しています。
WHERE JAPAN STANDS
一級の協力国、16位の投資家
34億
日本からの直接投資残高(ネパールルピー)
60か国中の第16位、全体の1.0%。米ドル換算で約2,500万ドルです。前年(19.7億ルピー・第18位)から+70.4%と伸びていますが、母数が小さいための伸びであることは申し添えます。
出典:ネパール中央銀行「対内直接投資調査 2023/24」2024年7月中旬時点
283件
日本からの投資認可件数(累計)
認可額の累計は37.7億ルピーで、105か国中第14位・全体の0.74%。1件あたり平均は約1,300万ルピー(約10万ドル)です。日本の対ネパール投資は、件数が少ないのではなく、1件が小さいというのが実態です。
出典:ネパール産業局「Foreign Investment in Nepal 2024」2023/24年度末時点
74%
日本の投資残高のうちサービス業の割合
33.6億ルピーの内訳は、サービス業24.8億ルピー、工業8.5億ルピー、農業0.25億ルピー。電力と製造という残高上位2分野に、日本はほぼ入っていません。
出典:ネパール中央銀行「対内直接投資調査 2023/24」2024年7月中旬時点
この非対称は、当社が事業を始めた理由そのものです。日本という名前が現地でどう扱われるかという資産はすでに存在し、それを使う民間の投資がほとんど存在しない状態が続いています。
同時に、これを楽観の材料としてお伝えするつもりはありません。日本の投資が少ないことには理由があります。市場が小さく、電力と物流に制約があり、政権交代が頻繁で、認可から着金までの時間が読みにくいのが実情です。
私たちがご提案できるのは、その制約を消すことではなく、制約の中身を事前に正確にお示しし、実行の手間を引き受けることです。判断そのものは、常にお客様のものです。
PRIORITY SECTORS
政府が開いた、七つの優先分野
- 01
エネルギー
投資残高で最大の分野(29.5%)。経済的に開発可能な水力42,000MWのうち、開発済みは約7.5%にとどまります。回収期間が長く、腰を据える資本を前提とする領域です。
- 02
農林業
投資残高は2.89億ルピー、全体の0.1%。ほぼ空白の分野です。生産から加工・輸出までを一貫して手がける外資系事業は、現時点でほとんど存在しません。
- 03
インフラ
日本が最も実績を持つ領域です。ナグドゥンガ・トンネルもBPハイウェイも日本の協力によるもので、日本の仕様で働いた技術者と施工業者がすでに国内にいます。
- 04
観光
宿泊・飲食の投資残高は217億ルピー(6.5%)、前年比 +17.2%。日系企業の進出も、現状はこの分野が中心です。
- 05
情報技術
最低投資額2,000万ルピーの適用を受けません。そのため小規模から始められます。投資残高は269億ルピー(8.1%)、前年比 +36.3%で、主要分野のなかで最も伸びています。
- 06
サービス
サービス業全体で投資残高の40.5%を占めますが、うち24.4ポイントは金融・保険です。それ以外の業種は、規模の大きい事業者がほとんどいません。
- 07
製造
投資残高の29.3%を占める一方、調査対象となった外資系製造業の設備稼働率は47.5%にとどまります。需要ではなく、電力・物流・部材調達の制約が効いている分野です。
自動認可ルートは事前認可の免除であって、登記、中央銀行への登録、業種別の許認可が不要になるわけではありません。最低投資額2,000万ルピーも、IT・デジタル分野を除いて引き続き適用されます。
各分野の投資残高・伸び率・設備稼働率は、いずれもネパール中央銀行「対内直接投資調査 2023/24」(2024年7月中旬時点)によります。水力発電の開発可能量の出典は「なぜネパールか」に掲載しています。
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PUBLIC SUPPORT
活用できる日本側の制度
JETRO
海外ビジネス支援・ビジネスマッチング
海外ブリーフィングサービス、中小企業海外展開現地支援プラットフォーム、国際ビジネスマッチングサイト「e-Venue」など。2024年12月からはJBIC・NEXI・中小機構・日本政策金融公庫との「海外ビジネス支援パッケージ」も提供されています。
JICA
海外投融資・民間連携事業
開発効果の高い民間事業への出資・融資(海外投融資)、および中小企業・SDGsビジネス支援事業(ニーズ確認調査、ビジネス化実証事業など)。ネパールでのビジネスモデル検証に使える現実的な制度です。
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